今回はコーヒー店でコーヒー豆を購入するさいのコミニケーションについてです。
念のため前回の初級知識をおさらいしておくと、
コーヒー豆は
深い焙煎は苦味が強くなる。
浅い焙煎は酸味が強くなる。
この特徴があると書きました。(詳しくは前回のコラム参照)
これを踏まえたうえでコーヒー店で自分のほしい豆を購入するシュミレーションしてみましょう。
自分の好みがよくわからないのだけど、あまり苦くも酸っぱくもないコーヒーがほしい場合。
「あまり苦くも酸っぱくもない焙煎は中ぐらいのものを購入したいのですが」
(もちろん店員に苦くも酸っぱくもないコーヒー豆を下さいと伝えてOKですが知識を増やすのが目的なので「焙煎」という言葉を使います。)
「はい中ぐらいのものですと、当店では初めての方はマイルドブレンドになります。」
(だいたい銘柄を教えてくれます。)
「じゃあそれでおねがいします」
「何グラムになさいますか?」
「100gください」
(粉は2週間以内、豆の状態で1ヶ月くらいが飲み頃ですので買いだめせずにこまめに使い切る量を)
「豆は挽きますか?」
(ほとんどの店はコーヒーミルを持っていない方のためにサービスで粉砕してくれるお店は聞いてくれます。聞かれなくてもミルを持っていなければ確認してみてください)
「はいお願いします」
という会話になると思います。
聞かれることは、
①味の好み
②豆の購入量
③粉砕の有無
です。①は良いと思います。
②の購入量についてはなるべく少量で購入して新鮮なうちに飲みきるのが最良です。
何回か購入するうちに自分の使用ペースがわかりますので自然に指定できると思います。大体のお店では100g単位で購入できます。
③は少し知識が必要です。
コーヒーを淹れるには豆のままでは淹れられませんので粉砕の必要があります。
豆の粉砕は皆さんがお持ちのコーヒー器具によって最適な粉砕の荒さが変わってきます。
ですから皆さんがお持ちの器具についてはっきりさせておく必要があります。
大体が、
コーヒーメーカー、ハンドドリップ(自分で湯をたらす)、サイフォン、フレンチプレス、エスプレッソメーカー
だと思います。
この自分の使用の器具を店員に伝えると最適な粉砕具合のコーヒー豆が手に入ります。
粉砕の荒さの目安は下記の通りです。
『粗挽き』コーヒーメーカー、サイフォン、フレンチプレス
『中挽き』ハンドドリップ
『細挽き』エスプレッソメーカー
①味の好み②購入量③粉砕有無(粉砕の場合は器具を指定するか粒度の指定荒め、中ぐらい、細かい)
を店員に伝えればコーヒー店でお買い物が出来るようになるでしょう。
よりコーヒーの世界を広めるには皆さんの心構えしだいなのですが、会話の部分で、
「中ぐらいのものを購入したいのですが」「はい中ぐらいのものですと、当店では初めての方はマイルドブレンドになります。」
とあります。ここで大方のお店の店員は無難なお店に必ずあるマイルドブレンド(味が中庸な)ものを薦めてきます。
購入するほうとしても、ブレンドでよいか・・・、と無難な選択をします。
これではせっかくコーヒー店にコーヒー豆を買いに行ったのにもったいない気がします。
ここでもう少し食い下がって店員に他のもので何かありますか?と聞けば無難な選択からまた新しいコーヒーの世界が開けると思います。
次回はこのコーヒーの選択をする際のブラジルとかコロンビアとかってどういう傾向の味なのか?ということについて書きたいと思います。
そうすればもう少しお店の人とコミニケーションの幅が広がってくるでしょう。
※コーヒー好きの人へさらに追求編※
冒頭の会話で「中ぐらい」のもの選択する場面があります。
ここで何をお店の人が選択するかでお店の傾向が大体わかります。
お店として「中ぐらい」の味をどのようにとらえているかを判断する基準になります。
現在の自家焙煎店の「中ぐらい」のコーヒーってどんな傾向があるのでしょうか?
30年前の「中ぐらい」のコーヒーってどんな傾向があるのでしょうか?
調査をしたわけではありませんが現在の「中ぐらい」はやや香ばしく苦味のコクの中に酸味を少しいれてきてるように思います。
30年前に青春を送った5、60代以降の方の「中ぐらい」は香ばしく、苦く、コクがある。
酸味ないというイメージがあるように感じます。
このあたりで「中ぐらい」というコーヒー観が変化してきているのではないかと思います。
もちろん店員として薦める場合はの「中ぐらい」は酸味や苦味が突出していないものをお薦めするのが最良でしょう。