第十七回 新しいキーワード

コーヒーというのは嗜好品でありさまざまな好みがある。
大方の好みだと、「苦い」「酸っぱい」「甘い」「重い」「軽い」というぐらいだろう。

来店されるお客様では、
この5つのキーワードを出せばその人が必要とするコーヒーを見つけることが出来る。
最近このキーワードに「フルーティー」という表現が加わりつつある。
特に40代以下の比較的若いお客様からこうした好みを聞く。
この「フルーティー」という言葉は曲者でコーヒーの世界では難しい。
以前であれば、苦くて香ばしくて少し甘くて・・・といういわゆるなにやら香ばしい飲み物がコーヒーなのだろう。
それに「フルーティー」というとちょっと昔からコーヒーを飲んでいる人にとっては違和感を覚えるだろう・・・ちょっとそんなコーヒー落ち着かないかもしれない。
そんなこととは裏腹に、最近ではコーヒーの香味で「フルーティー」な香りを出すことが以前に比べて出来るようになってきていると思う。

それはまず第一にコーヒーの生豆の品質。
昔のコーヒー豆が個性があって良かったという話もあるが、
最近流行の「ゲイシャ種」でははっきり「フルーティー」さを感じる。
以前もないわけではなかったのだろうけど、ここ何年かで急激に増えているだろう。
確かに誰がやってもある程度「フルーティー」さを感じる。
他にもエチオピア産でも感じるし、非常に生産量が少ない地域のコーヒーでもこれを感じる。
生豆でそのフルーティーさを持ったものが近年増えつつあり、自家焙煎店で手に入りやすくなっていることが原因と推測される。

また、焙煎の技術でも「フルーティー」さを出す方法が知られつつあるのではないだろうか?
焙煎技術は人それぞれといった感があるが、
人知れず営業していた独自の技術をもった店がインターネットの普及で知られるようになりその味を覚えて再現する人も出てきていると思う。
でも決定打がないのが現状でやっぱりよくわからないというところだろう。

お客さんが求めるコーヒーのキーワードで「苦い」「甘い」「酸っぱい」「重い」「軽い」
そして「フルーティー」という第六番目が加わりつつある。
自家焙煎店もそのことを認識してコーヒーをつくらなければならないだろう。

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