第十四回 酸味は腐敗?

コーヒーの酸味はちょっと苦手という方が多いと思う。
コーヒーは嗜好品なのだから仕方のないことだと言ってしまえばそれまでだろう。

以前からのコーヒーファンの人は、深煎り気味の苦くて香ばしいコーヒーがなじみ深いだろう。
なかにはキリマンジェロのような酸味を伴ったコーヒーが好きだという人もたまにいる。

酸味に対する拒否感は、コーヒーの持つ香ばしさと苦味といった、一般的なイメージとは違うといったこともあるが、
美味しい酸味のあるコーヒーに出会わなかったことも一つの原因だと思う。
酸味のコーヒーがダメという方は、どこかで酸味のあるコーヒーを試してみて自分に合わないと感じたからであろう。

もちろん好みで合わないという人もいるが、
焙煎してから時間が経ち独特の古い香りが出てしまったものを、酸味のあるコーヒーは確かに不味いと思う。

コーヒーの酸味=腐敗というイメージ=不味い 

というイメージはわかりやすく、受け入れやすい。がこれは少し違うと思う。
酸味のあるコーヒーを放置しておけば酸味が独特のいやな感じに変化するし、
深煎りの苦い豆を放置しておいても酸味は出ずらい。
むしろ時間のたったコーヒー油の嫌な臭いが強いと思う。

 酸味=腐敗

という一般的知識でそう思いこんでいる人も多いが、それは大雑把過ぎるであろうし自分のコーヒーの世界を狭めてしまうと思う。
新鮮な酸味のあるコーヒーは美味しいものです。

 

「コーヒー好きのための追求知識」

じつは最近コーヒーは深煎りよりもフルーティーな香りや酸味を求めるのが世界的流行になっている。
その証拠に世界的な評価を得たパナマ(ゲイシャ種)のコーヒーはフルーティーな香りと甘みが身の上らしい。
世界のスペシャリティー(高品質な)コーヒーを評価する時でも酸味に重点を置いて評価するようです。

また、自分自身も焙煎して感じることだが深煎りにしたときに豆の個性を出すのが難しい。
大体どの豆も深煎りにすると同じような味になってしまうような感じになる。
むしろ中煎りから中深煎りあたりが個性をだしやすい。
焙煎の技術もあるが、深煎りに耐えられる(個性が深煎りででる)豆がない。
こうしたことが焙煎店のコーヒーが深煎りからやや浅めにシフトしてきている要因だと言われています。