コーヒーのお供としてお砂糖とミルク(またはクリーム)が添えられる。
はじめからお砂糖とミルク(またはクリーム)が添えられて来る店もあるし、
「お砂糖とミルクつけますか?」と聞いてくる店もある。
味覚的な観点からいうとコーヒーの味を楽しむのであればブラックで飲むことをお勧めする。
苦味、甘味、酸味、香り、コク
これらを純粋に感じようとするならば純粋な状態のコーヒーでお楽しみいただきたい。
ゆっくりと舌で転がすように飲むとこれらの味が重奏的に口中に広がってゆく。
砂糖やミルクを入れると砂糖の甘みやミルクの味でマスキングされてしまい純粋な味を楽しめない。
砂糖を入れるとまだコーヒーの個性を感じると思う。
「酸味」と「甘味」の部分は砂糖の甘みでわかりずらいが「苦味」「香り」「コク」の部分はコーヒースプーン1杯(2g)程度ならわかる感じがする。
ミルクの場合はどうだろうか?
ミルクはコクの少ないコーヒーではコクを補う効果がある。
さらに不思議なことにミルクはコーヒーの「酸味」を際立たせる効果がある。
当店の「いずみブレンド」も酸味を際立たせているのでミルクを入れるとさらに酸味がくっきりしてくる。
深煎りの酸味の少ないコーヒーだと酸味が際立たずにミルクとうまく調和する感じがある。
よく「カフェオレは苦いコーヒーで作るのが良い」といわれているがそれはこうした背景があるからだろう。
ブラックコーヒーが苦手で砂糖やミルクを入れるという方もいるが、他にも胃が弱いので砂糖やミルクを入れるという方もいる。
これは実際効果があるのだろうか?
これは最近ではあまり効果がないといわれている。
確かにミルクの脂肪分胃の粘膜を保護する役割があるのだが、コーヒーに入れる程度(約10ccに満たない)牛乳では量が少なすぎて効果がほとんどない。
また砂糖に関しては少量ならば問題ないが多めに用いると胃の粘膜を荒らす原因にもなるともいわれている。
コーヒーは空腹時に飲むと胃酸の分泌をうながして胃痛の原因にもなりうるが、それ以外では直前の食事の影響が多いとされている。
嗜好的理由で砂糖やミルクを入れるのであれば個人の自由でかまわないが、
胃の粘膜を保護するという消極的な理由で砂糖やミルクをいれるなら空腹時を避けてピュアなコーヒーを味わうとコーヒーの世界が広がると思う。