コーヒーはお湯(水)に成分を溶かしだすので、その溶媒(お湯または水)の性質はコーヒーの味に影響を及ぼす。
水質がコーヒーに影響を及ぼすということだ。
結論から言うと水道水を沸かしてカルキ臭(水道局もかなりこの匂いを取り除く努力をしているらしいが)
が飛んだ状態の水であればコーヒーの抽出に用いることに問題はないと思う。
美味しいコーヒーを淹れるのには充分な水だ。
よくお客様から「お水はいいものをつかっているのですか?」と質問をうけるが当店では浄水器をとおした水道水を使ってますと答えている。
いいコーヒーにはいいお水を使わなければならないというのはその通りなのだが、ある程度の条件さえ満たせていればそれ以上の効果はないように思う。
実際に市販のペットボトルに入って販売されているナチュラルウォーター(国産の軟水)と水道水(浄水器をとおしたもの)を同じ条件でコーヒーを抽出して比較してみたが、自分の味覚では特に変化はなかった。
全く区別がつかなかった。
ためしに興味のある方はやってみると良いと思います。
ナチュラルウォーターでも海外から輸入されたり日本のものでも海洋深層水をつかったものにミネラル分の多い『硬水』と呼ばれるものがある。
『硬水』でコーヒーを抽出してみるとどうなるだろう?
実際に試したことがある。
使用したのはフランス産のもので「硬度」が1468とラベルに表記されていた。
『軟水』はこの指標が120以下(WHOの指標)とされているので「硬度」が1468というとかなり高い水準だろう。
そのまま飲んでみるとなんとなく飲みずらいような感じをうける。
食べ物の影響をうけるとわからないかもしれないが、口がきれいなときに飲むと違いはわかると思う。
実際に当店の「いずみブレンド」を淹れてみると味が悪くなる。
個人差はあるかもしれないが自分の印象では金属的な味がくる。鉄ではないけどアルミ箔をかんだときのような・・・
それに当店のコーヒーの特徴であるスッキリと飲みやすい感覚もなくなる。
そのまま飲んだときでもやや飲みずらさを感じるので明らかに違いが出たという結果だ。
今回はわかりやすいように極端な例を用いたが、一般的に言われているコーヒーの抽出には「軟水」が良いといわれるのをうらづける結果になった。
ヨーロッパで飲用されている水は日本の水よりも「硬度」が高いというヨーロッパあたりではコーヒーはこの水の影響を受けているだろう。
ヨーロッパのコーヒは自然に水の影響をうけてそれに適した抽出が発展してきたかもしれない。
それがエスプレッソのヴァリエーションであったり、フレンチプレスで飲まれたりするしっかりめのコーヒーだったりするのかも知れない。
当店のコーヒーは水のように飲みやすいコーヒーを目指している。
これもその土地の『水』の影響を自然にうけた結果なのかもしれない。