コーヒーのおいしさ(味)を決める要素として、
生豆
焙煎
抽出
という要素で決まってくると述べた。
今回は焙煎について語っていこうと思う。
自家焙煎をしている喫茶店ではコーヒーを焙煎する焙煎機で焙煎を行ってる。
そのお店の使用している焙煎機や焙煎機の煙突の出し方で、コーヒーの味が変わってくると言われている。
実際、当店のお客様が他店の自家焙煎店の豆を持ってくることがあるがやはり味の骨格が違うと思う。
さすがにお客様は他店の焙煎機がどんなものを使っているかまではわからないが、
お客様の話からどんな焙煎機をつかって焙煎をしているかを想像して楽しんでいる。
またそうしたコーヒーの中には、いいコーヒーだと思うものもあり日々の精進に励む薬にもなる。
当店の焙煎機は長野県にある井上製作所さんの焙煎機HR11(※現在製造終了)
を使用している。(下図参照)
形式的には直火式の焙煎機で生豆投入は1kgまでできる。
直火式は香りが強く出せて個性的な味に仕上げやすいという特徴がある。
通常当店では450gから500gを一度に投入して焙煎をおこなっている。
他の焙煎機を操作したことがないが、カメラでいうとNikon F とかFM2 とかベーシックで基本的な性能のみの機械に感じる。
焙煎を行う作業は、火力の操作とダンパーと言われる排煙装置の操作である。
当店では最初からしっかり火をたいて急に冷ますようなイメージの焙煎で行っている。
理論的に実証されていないし、あまり他の自家焙煎店のご主人達も言っていることではないが、
自分の実感として、コーヒーの細胞をこじ開けるようなイメージで最初からしっかりと火を入れていくほうがいい気がする。
あくまでの当店の焙煎機や抽出方法に合った焙煎のスタイルなのだが・・・
焼いていく段階でムラのないようにしっかりと水分抜きをするってよく言われていて、
なんとなく弱火でじっくりいくようにするが、最初から火をしっかり通して行くほうが目的を達成できると自分は思う。
ただし豆によって、どうしてもしっかり火を入れていくやり方でダメならば、
細胞をこじ開けた上で火力を落としじっくり火を通していくやり方にしている。
あくまでも現時点でのやり方なのでまたやり方が変化するかもしれない。
ダンパーの操作はガンガンに煙を外にだすやり方にしている。
これについても火力との総合的な兼ね合いで、火力をさげたらダンパーを操作して排煙を少なくしてバランスをとるやり方をよく聞く。
当店の機械では火力に関係なくどんどん、煙を出してしまったほうがいいように感じたのでそうしている。
上記のことで、しっかりと豆の芯に火がとおってこげたり煙くさくないスッキリとキレがあるのにコクがしっかりとあるコーヒーができる。
お客様からも当店の「コーヒーはスッキリしつつ香りが残るね」とお褒めの言葉も頂いた。
これからもコーヒー業界の先人達に負けないように日々精進していきたい。
今回はわかりずらかったかもしれないが、あくまでも当店の環境で「キレ」と「コク」を両立させたような
美味しいコーヒーを実現させる焙煎の話でした。